どうも、同人結社創作信仰鬼姫狂総本部(通称・鬼姫狂)代表の秋元惟史(作家名義・民富田智明)です。
今日から、実写映画「鬼神童女遊侠伝/まさかり担いだ熊男」(仮)の小道具制作に入りました。
とはいっても、私は小学校の図工の頃から、工作よりも図画の方が好きだったので、あまり工作には慣れていません。
なので、ネットで買った電動のこぎりの試運転を兼ねて、お凜様が懐に忍ばせている短刀の素体の切り出しから始めました。
さて、作業効率アップのために電動のこぎりを買ったのですが、実際に電源を入れてみると、想像以上に動きが激しく、音も大きく、驚いて恐怖を感じました。速度調整の最弱にしても結構な激しさだったので、切れ味抜群であるのは確かなのですが、素体の木の板が細すぎて不安定さを感じたので、危険回避のために電動のこぎりの使用を中止しました。
なので、時間がかかってもいいから手動のこぎりを使って切り出そうと思い、玄関先をおがくずだらけにしながら、ギコギコとDIYを気取っていました。
で、切り出した短刀の素体が、以下の写真です。
全長30センチ、柄の長さ9.5センチ、刃の長さ20.5センチで、手持ちの白鞘の短刀の寸法を参考にしました。
柄の部分は、刀身を中ばさみにして左右から板を重ね貼りにします。
そうすると、ちょうど手の平に収まるいい感じの厚みになるので、全体にやすりがけをすれば、手作り木製短刀の素体が出来上がります。
刀身を納めるための鞘は後日作りますが、鞘に刀身を留めるための「はばき」の部分をどう再現しようか思案しています。
まあ、そこは最後の仕上げ段階に対処すればいいので、とりあえず、短刀と同じ要領で打刀6本分の素体を切り出す作業をやっていきます
素体の切り出しからやすりがけ、着色、刀身銀貼り、鍔付け、柄巻と、一連の刀作りに、1ヶ月くらいの期間を見ています。
なので、衣装やお凜様の装身具などの小道具を作るのは、4月以降になりそうです。
こういう、映画の撮影に入るまでの一連の前準備のことを「プリプロダクション」というのですが、実は、映画の象徴として連想する撮影である「プロダクション」よりも、圧倒的にこの「プリプロダクション」の方が期間が長いのです。
鬼姫狂史の起源であるお凜様の「心中示現」から始まる世界観構想を実写映画版「鬼神童女遊侠伝」シリーズに至るスタートラインとした場合、15年もプリプロダクションが続いていたともいえます。
名だたる映画監督にも、デビュー以前の幼少期や思春期から温めていたような、「構想20年」「構想30年」という途方もない潜伏期間を経て実現した映画など、ざらにあるそうです。
分野は問わず、クリエイターがクリエイターになるきっかけは原体験にさかのぼれたりするのが普通なので、「小さい頃の憧れのヒーロー」「多感な頃の理想のヒロイン」を自分の手で生み出したいというのが、強烈な動機になるのでしょう。
私は、小さい頃に少女漫画のヒロインにときめきを覚えて、キラキラした大きな目の女の子の絵を描きまくるようになりました。
けれども、男の子がそういうのに興味を持つのは「キモイ」として、迫害を受けたりしました。
今でこそ、少女漫画の技法を男の子向けに取り入れた萌え絵が確立したので、そこまで偏見を持たれることはありませんが、それでもオタクコンテンツそのものを嫌悪する人が少なくありません。
だから、幼稚園や保育園や小学校に通う男の子が「プリキュア」に興味を持つと、「男の子なのに女の子のアニメ見てる」とバカにされたり、「うちの子は大丈夫なの?」と心配されたりすることもあるんじゃないでしょうか。
私は、そういう固定観念はおかしいと考えています。
女の子が少年漫画を読むのは普通なのに、男の子が少女漫画を読むのは異常に思われるというのは、はっきり言って性差別ですよ。
男女関係なく、かっこいいものはかっこいいし、かわいいものはかわいいのです。
「ヒロインに興味を持つ男の子は気持ち悪いオタクになって犯罪者になる」こういう偏見をぶっ壊さないと、異性に興味を持ち始めた小学生の男の子の健全な発育に支障が出るでしょう。
実際、私は迫害されまくった経験から、異性への興味に抵抗を覚えてしまい、女の子に話しかけたりするのが異常に苦手な性格になってしまいました。
学校の友達を例にすれば、オタク差別を受けた人は、割と似たような感じになっていました。
彼女なんて都市伝説のような暮らしでしたし、たぶん、みんなまだ独身なんじゃないでしょうか。
このような、自身の経験に問題意識が強かったので、「小学生の男の子がヒロインものに興味を持つのは恥ずかしいことじゃなくて、むしろ健全な発育による現象なんだ」と主張したくて、「鬼神童女遊侠伝」という、男の子のためのヒロインを発信し続けるのが使命だと悟りました。
お凜様は、男の子のためのヒロインなので、少女漫画のようにキラキラしていながら、かなりストイックな漢(おとこ)です。
ひらひらふりふりごっちゃりした、でっかいリボンがついたような「いかにも女の子趣味」な衣装こそが、男の子が「プリキュア」などのヒロインものに興味を持つことに対して抵抗を覚える部分だと考えています。
だから、お凜様は、紐で束ねた長い髪と、合羽と帯の結び目のみによって、少女らしさを演出しています。
これならば、小学生の男の子でも抵抗なくお凜様を「好き」と言えるのではないかと。
すべては、小学時代に少女漫画のヒロインが好きになったことに対する「偏見による迫害」が問題定義になっています。
そう考えると、「鬼神童女遊侠伝」のプリプロダクションは、中学時代の「キラキラした女の子の絵の練習」から始まったともいえるでしょう。
今回の短刀の素体の切り出し作業は、「男の子はこうあるべき」というジェンダーバイアスへ「メス」を入れる社会派的な意味合いにつながるのかもしれません。
「鬼神童女遊侠伝」は、恋愛なんてまったくないけど、あくまでも源流には少女漫画への興味があるのです。
まあ、実写化したら、そんなキラキラは微塵たりとも残さない、野蛮な男の映画になり果てそうですが。