鬼姫山回峰行 第13回 武蔵御嶽

どうも、同人結社鬼姫狂団 代表の秋元惟史(活動名義・民富田智明)です。

鬼姫山回峰行として、東京都青梅市にある武蔵御嶽神社(標高929m)を踏破してきました。

鬼姫山回峰行とは、武州鬼姫信仰において神聖視される秩父鬼姫山の比定地である秩父山地と、各地方に点在する鬼姫山支山の比定地である山岳地を、仮に鬼姫山と見立てて自らの足で踏破することによって、鬼姫山へ想いをはせ、己と向き合い、鬼姫山三神と心を一体化させ、神秘の萌燃力を授かることを目指す山岳修行です。

武蔵御嶽神社は、秩父神社、三峰神社、宝登山神社と並んで山狗信仰が伝わる修験道の霊場で、なんと紀元前91年の創建ともいわれる古社です。
736年に行基が蔵王権現を勧請し、神仏習合の流れの中で修験道が盛んになっていったようです。
御嶽というのは修験道の中心地である奈良県吉野の金峯山のことを指すそうで、修験道のしゅの字もない紀元前には、名前すらなく、単に山の神が住まわれるところ、くらいの感覚だったと思います。

武蔵御嶽神社は、JR青梅線御嶽山駅から車で5分ほど登ったところにある御嶽山ケーブルカーが登山の起点となります。
ケーブルカーに乗れば6分で山頂近くまでいけますが、今回は運動目的なので、麓から表参道を歩いて行きました。
ネットの下調べで片道90分とあったので、覚悟して入山です。

午後から雷雨の予想だったので、空の状況を見て、青空が広がっているのを確認して行きました。

ケーブルカー駅駐車場。
ここまでかなりの急坂を登ってくるので、実は標高929mのうち400mくらいは稼いでいる模様。

御嶽山3.4㎞とあります。
ここが表参道入口です。

ここですでに急勾配です。

人工っぽい滝行場があります。
使われているかはわかりません。

参道を登り始めます。
山の上の神社や、御嶽講を先導する御師が経営する宿坊に物資を運ぶために、全面舗装されています。
かなり急勾配な上に、切り返しの必要なつづら折れもあり、ガードレールのない離合困難な狭路が続くので、関係者以外通行禁止となっています。

風景的には変化のないきつい登りが延々と続きます。
写真だと大したことないように見えますが、実際に歩くと、あっという間に息が上がって汗が吹き出します。
疲れ果てながら、なぜ自分はこんなきついことやっているんだろうと、雑念が出てきます。

延々と歩きます。

延々と歩きます。

延々と歩きます。

延々と歩きます。

延々と登り続けると、ケーブルカーと交差します。
ちなみに、ここでクロネコヤマトとすれ違いました。

ケーブルカーをくぐった先に、お地蔵さま。

きつい登りは過ぎましたが、まだまだ道は続きます。
舗装されていて歩くためには広いので、壁側を歩けば滑落する心配はありません。
しかし、崖側はかなりの傾斜で高さもあるので、落ちればまず助からないでしょう。
車だとかなり緊張を強いられそうな道ですね。

だんだん先が開けてきて、

山上集落に着きました。
御嶽講の先達である御師が代々経営する宿坊が密集しています。
高野山町のように町ひとつ山の上にあればいいですが、宿坊群だけが山の上にあるというのは、生活のためにはかなり不便がありそうです。
宿坊群は麓にあったほうが参拝拠点としては良かったのではないかと思ったりしました。

集落のほとんどは宿坊です。

宿坊群を抜けると、信じられない急勾配の坂があるので、そこを進みます。
凍結したら、車で登るのはまず無理でしょう。

急坂を登って土産物屋を過ぎると、神社の入口が見えました。
ここで、雷がゴロゴロ鳴り出したので、急ぎました。

疱瘡神の祠。

立派な山門。
60分ほどの登りで疲れ果てていますが、ここからさらに石段が続きます。

二の鳥居をくぐって、

拝殿が見えました。

威風堂々の拝殿。

武蔵御嶽神社には山狗信仰が伝わるので、拝殿の前にはお狗様が立っています。

お狗様、下から。

お狗様、下から。

お狗様、上から。

お狗様、上から。

神社は山頂部にありますが、境内からだと、そこまで眺望は開けていません。

ここで、雷がかなり近づいてきたのか、ゴロゴロが激しくなってきたので、記念にお守りを買って下り始めました。

なぜか騎馬武者像があり、畠山重忠公とのこと。

登りは歩いて行きましたが、雷雨に降られる心配があったので、下りはケーブルカーを使うことにしました。

発車時刻は13時15分、20分ほど待ち時間があったので、近くのベンチでお昼のおにぎりを食べました。

で、こんな山の上にも東京オリンピックマスコットであるミライトワ、ソメイティのオブジェが置いてあって(高尾山にもあった)、オリンピックの強行開催のごり押しぶりを堪能しました。
ちなみに、地元の霞が関カントリーはゴルフの会場になっているので、駅前も長らくミライトワ、ソメイティの垂れ幕だらけになっています。
個人的には、オリンピックを強行せずに延期でもいいんじゃないのと思っていましたが、気が付けばオリンピックの直前ですね。
オリンピックそのものには疑問も多いですが、なにげに、マスコットのソメイティがかわいくて好きです。
ソメイティの由来が桜のソメイヨシノとso mighty(非常に力強い)からきているそうで、超人的パワーを持っているとのこと。(オリンピック公式サイトより)
桜をイメージしたスーパーヒロインという意味で、お凜様とかなり属性が近いですね。
ソメイティは東京オリンピック専用キャラとのことで、オリンピックが終わったら儚く忘れられていくのかもしれませんが……。
イベント一回ぽっきりのキャラよりも、1000年、2000年残る余地のある新しい神仏を提唱した方が、日本文化の発展には有意義であると思っています。
キャラクタービジネスではなく、偶像崇拝に基づく民俗信仰と表現したいところです。

そうこうしているうちに雷雲が急接近してきたようで、ケーブルカーが13時8分に臨時発車することになりました。
下山すると、すぐに緊急停電となり、ケーブルカーは運休になりました。
トイレに行っているうちに雨が降ってきて、駐車場に向かうと完全に大雨になり、出発の準備をしている間にずぶ濡れになってしまいました。
山の上でゆっくりしすぎていたら、酷い目に遭うところでした。
登山を開始したときはあれだけ青空だったのに、山の天気は読めないですね。
雨でずぶ濡れにはなったけれども、晴れているうちに無事に下山はできているので、よしとします。
かなりの集中豪雨で帰り道の運転は緊張しましたが、事故もなく帰宅しました。

これで、武蔵御嶽神社の踏破は完了です。
そのうち、奥の院も挑戦したいですね。(もちろん、神社までの登山道は省略したいので、ケーブルカーの往復で)