どうも、同人結社創作信仰鬼姫狂総本部 代表の秋元惟史(作家名義・民富田智明)です。
この度、独学で身に着けた自分流の絵の技法をお絵描き講座として公開いたします。
民富田智明は、物心がついた頃からお絵描きが好きで、漫画家に憧れて小学時代から漫画風の絵を学び続けています。
30代になり、お絵描きについてはかれこれ20年以上となっているので、それなりの蓄積があります。
なので、お絵描きに対する持論を述べてもよいのではないかと思い立ちました。
なお、民富田智明は美大出身ではないので、絵は見様見真似の完全な独学です。
今回は、民富田智明にとって最も重要な、「かわいい女の子の描き方」です。
【女の子の絵を描き始めたきっかけ】
さて、民富田智明が女の子の絵を描き始めたのは、中学生です。
少女漫画「イ・オ・ン」(種村有菜、りぼんコミックス)を表紙買いして、それを参考に、少女漫画風の目が大きな女の子の絵を描き始めたのが原点です。
「イ・オ・ン」とは以下のようなものです。
「神風怪盗ジャンヌ」で有名になった種村有菜さんの初単行本だそうです。
中学時代、知らずに最先端の流行に乗っていたということですね。
小学時代、異性に興味を持ち始めたからなのか、同級生の女子が持っていた「セーラームーン」や「セイントテール」の下敷きに描かれた少女漫画の主人公にひっそりと心惹かれるようになり、中学時代に衝動が爆発しました。
それ以降、少女漫画の単行本を参考にしながら、狂ったように、女の子の絵を描く練習ばかりしていました。
社会現象となった「セーラームーン」は有名ですが、「セイントテール」というのは、以下のようなものです。
当時女子の間でアニメが人気でした。
今の目で見ると、衣装デザインひらひらしすぎて微妙な気も……。
こんなのだったっけ?
とにかくも、女の子の絵ばかり描くようになった原因は、思春期の突入としか言いようがありません。
では、具体的に「かわいい女の子の描き方」を説明します。
【女の子は目が命! まずは目の練習を!】
上に参考として貼った「イ・オ・ン」や「セイントテール」の絵でわかるように、女の子らしさを強調するには、理屈抜きに「キラキラした大きい目」を描けるようにしましょう。
よく、少女漫画風の絵やその延長線上にある萌え絵に対して、「顔の半分が目なんて、そんな人間いねえよ!」と馬鹿にする人がいます。
その手の人は、えてして写実性の高い絵こそが上手い絵であると主張しますが、それは違います。
絵には、写実画もあれば抽象画もあります。
西洋美術では目で見たものをそのまま立体的に写し取る写実画の技法が発達しましたが、東洋美術では目で見たものを省略又は誇張し、平面的に記号化して写し取る抽象画の技法が発達しました。
特に、日本では絵巻物や浮世絵に表れるように、平面であることを前提とした線画や単色塗りが発達しました。
絵は、写実性だけで優劣を決めるような底の浅い分野ではありません。
さて、女の子の命であるキラキラした大きい目を描いてみましょう。
まず、簡単にあたりを取ります。
人物の年齢設定にもよりますが、少女であれば、くりくりっとした大きな目の方がかわいく見えます。
現実にはおかしいですが、縦長の楕円のようにすると具合が良いです。
あたりを描き込みます。
好みに合わせて、上下のまぶた、まつげ、瞳を設計しましょう。
民富田智明としては、長めのまつげ、光の反射の多い瞳が、女性らしくかわいく見えます。
まぶた、まつげをガシガシ描き込みます。
瞳の線もはっきりさせておきます。
仕上げに瞳を塗り込みます。
真ん中の瞳孔はほぼベタ塗りです。
周りの虹彩は好みが出るところですが、放射状にギザギザ線を入れた後に薄塗りしています。
これで、片方の目が完成しました。
人間には二つの目がありますので、片目ではなく、両目をセットで練習するのをおすすめします。
ただし、女の子の目を描くとき、合理的に手抜きができて、なおかつかわいさ倍増の奥義があります。
それは、「ウインク」という技法です。
少女漫画では、これでもかというほど、表紙などの目立つ部分にウインクした女の子が描かれています。
少女漫画に影響を受けた小学生の女子も、大抵、似顔絵などを描くときにウインクさせていたりします。
これ、左右の目の形のずれをごまかせると同時に、描画速度を効果的に早めることができて、なおかつかわいく見えるという、反則のような技法なのです。
ウインクは、バランスよく左右の目を描く練習にはなりませんが、かわいく見せるためには最強の工夫なので、うまく使うようにしましょう。
民富田智明は、一枚絵を描く場合、高確率でウインクさせています。
理由は一つ、かわいいからです。
目の描き方は、女の子を描く上で一番個性が出るところですので、気合を入れて練習しましょう。
【目が描けたら、今度は顔全体を練習しよう!】
女の子のキラキラした大きい目が描けるようになったら、その目を搭載した顔を描けるようになりましょう。
顔を描くには、球体を基準に考えるのがおすすめです。
球体に、目、鼻、口がついて、髪が生えたのが顔なのです。
では、女の子の顔を描いてみましょう。
ここでは、「鬼神童女遊侠伝」シリーズの主役のお凜様を描くことにします。
実際に顔を描く前に、一度、お凜様の骨格を見てみましょう。
萌えもクソもないですね……。
まるで、特撮番組の悪の怪人です。
顔を形成するのは頭蓋骨とそれを包む肉です。
お凜様のかわいいお顔も、肉をはがせば醜い骸骨となるのです。
人物画を描く上で、大まかな骨格を理解することは重要です。
では、顔を描いていきましょう。
目、鼻の基準となる十字線を入れます。
十字線の横軸を基準に、目の位置と縦幅を決めます。
少女漫画のような大きい目を描くには、目の縦幅が円の下半分をほとんど占有します。
十字線の縦軸を基準に、目の横幅と両目の間隔を決めます。
ここで、目を基準にして、素体の球に下あごや頭頂部を成形します。
逆さ立ちの卵を想像すると具合が良いです。
顔の輪郭を整え、目、鼻、口、耳を成形します。
ほっぺのプニプニした感じを出すと女の子らしさが出ます。
目をガシガシ描き込みます。
ほっぺを赤らめるようにするとかわいく見えます。
お凜様の場合、この時点で口の中に牙も描きます。
まだ髪がないので尼さん状態ですが、この時点でかわいく見えなかったら、髪を描いてもかわいくないです。
素体がダメなら、髪型や服装でごまかしてもダメということです。
仕上げに、髪、装身具を描き込みます。
お凜様は鬼神様なので、鬼の象徴である立派な二本角を忘れてはいけません。
角の角度が決まらず、反転するとズレがひどかったりもしますが、デッサン狂いを気にしたら負けです。
実在の生き物の顔はよく見ると左右非対称なので、ズレを受け入れると、作画崩壊に対して心が広くなれます。
人間が手で描く以上、どうしても造形のズレは生じます。
人間の脳みそは意外といい加減で、「錯覚」という脳の勘違いを利用したのが絵の技術です。
多少の作画崩壊は、脳みそが勝手に「錯覚」で補完してくれますので、なんとかなります。
これで、女の子の顔が描けました。
顔の描き方は、人物画で一番重要な部分ですので、好みの画風を確立するまでうんざりするほど練習しましょう。
【仕上げに体を描けるようになろう!】
女の子の顔を描けるようになったら、仕上げに体を描けるようになりましょう。
女の子の体を描けるようになれば、あんなポーズや、こんなポーズも自由自在です。
妄想がはかどりますね。
妄想を馬鹿にしてはいけません。
表現活動など、脳内妄想の具現化以外の何物でもないのですから。
絵の練習をするなら、妄想力を鍛えるのが大事です。
ちなみに、体をあらゆるポーズで満足に描けるまでには、年単位の修行が必要と心得ておいてください。
民富田智明も、まだまだ修行中です。
では、女の子の体を描いてみましょう。
○体の基本は裸です
なんで裸なんだこのスケベロリコンめ、と思った方は、はっきり言って絵の勉強に向いていません。
絵を描くなどという手間暇のかかることはやめた方が幸せになれます。
顔の描き方でお凜様の頭蓋骨を出したとおり、人体の基本は骨格とそれを包む肉です。
つまり、生まれたままの裸が体の基本となるのです。
裸の体つきがどうなっているのか理解しないと、服を着せた状態でもしっくりこないという問題が生じがちです。
恥ずかしがらずに、勉強のつもりで、女の子の裸んぼの絵を量産しましょう。(男もですよ!)
○女の子なら頭身は低めに
体を描くには、頭部の大きさを基準に、頭何個分の体格かを割り出す必要があります。
それが、「頭身」というものです。
何頭身が良いかは、絵柄の差や、男女差、年齢差で違っていきますが、「9歳くらいに見える小柄な女の子」という童女姿であれば、四頭身くらいがちょうどよいと思います。
お凜様は、大体四頭身くらいです。
生身の人間だとありえないくらいに頭でっかちなのですが、絵だと、幼さが強調されてかわいく見えます。
○体は球体関節と筒で考える
体は球体関節を筒でつなげて作っていると考えましょう。
描くのが難しいとされる手足も、球体と潰した筒を基本に考えるとうまく行きやすいです。
手足の指は、一本一本ではなく、まとまったブロックとして考えるとなんとかなります。
体で一番複雑なのが手足ですが、面倒臭がらずにしっかりと描きましょう。
手足だけを、色々な形や角度で何個も描いて練習するのがおすすめです。
○胴体、腕、脚は細く
球体関節と筒で体のあたりを取ったら、女の子らしい、しなやかな体つきに成形しましょう。
その時に気をつけることは、すらっと細い体を描くということです。
生身の女性のような肉付きにすると、絵だとあまりかわいく見えません。
現実に「やせている女性ほど美しい」という美意識がありますから、細さを強調したほうがかわいらしさが出ます。
○胸は小さいほうが無難
遂にきましたね。
男が女の子の絵を描くときに、顔の次に注目する部分、それは胸です。
胸の大きさだけで、女の子の印象ががらりと変わってしまいます。
男の胸の好みは、巨乳派と貧乳派に分かれますが、体を描く勉強においては貧乳の方が無難です。
何故なら、胴体に余計な起伏がないので、服を着せるときに型崩れしないからです。
胸がないほうが服を着るときに型崩れしないので、全体の印象として美しく見せることができます。
仏教において、本来男性形であった観世音菩薩は、日本に入って女性形が定着してしまいました。
その観世音菩薩像を見ると、見事なまでの平坦ぶりです。
それは、「胸のふくらみなんて飾りです。えらい(えろい)人にはそれがわからんのです!」という、一切衆生を煩悩から救済するための教えなのではないでしょうか。
女の子にとって、胸のふくらみは本質ではないのです。
絵を描くときは、全体としての健康的な色気を追求しましょう。
○衣服は体つきを意識すべし
最後に、裸んぼの女の子に服を着せて、装身具や小道具をつけましょう。
女の子は、裸よりも服を着ているほうが個性があって好きです。
ちなみに、絵にしてしまえば一枚ですけど、お凜様の絵がここにたどり着くには、3年の試行錯誤があります。
紅白装束は香港のカンフー映画の影響で、三度笠と道中合羽は日本のチャンバラ映画の影響です。
お凜様は、和漢折衷スタイルです。
ここには描いていませんが、短銃使いで西部劇も入っているので、和漢洋折衷スタイルですね。
無国籍時代劇をやるためだけに生まれてきた、スーパーバトルヒロインです。
昔話の絵本で絵心に目覚め、熱烈な映画少年だった漫画絵描きの、夢と希望と憧れがすべて宿っているのです。
萌えキャラクターって、世間的にはどこか低く見られる分野ですが、生半可な下積みでは完成された魅力ある人物は創造できません。
それこそ、育て上げるのに一生を捧げるくらいの覚悟は必要だと思っています。
民富田智明は、「鬼神童女遊侠伝」シリーズの大成に、この生涯のすべてをかけていきます。
多分、これ以上に愛を注げる世界は創れないと思います。
この記事をお読みになった方も、単なる量産型の学園ものでない、一生を捧げても悔いのないキャラクターを生み出せれば、創作活動の孤独を乗り切れるのではないでしょうか。